手のひらの多汗症ボトックス
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手のひらの汗は多汗症の症状かも
多汗症とはその名前の通り、大量の汗をかいてしまう疾患です。全身の汗の量が多くなる「全身性多汗症」と体の一部に局所的に大量の汗をかく「局所多汗症」があり、現在原因などははっきりと解明されていません。汗の分泌を促す交感神経の異常といわれており、常に汗をかいているのではなく、一定の時間汗をかきやすくなり、しばらくすると止まるというのが特徴的な症状です。
局所多汗症は、ワキ、顔、足の裏、頭部、そして手のひらの5つの部位に症状を持つ人が多く、複数箇所に多汗症を持つという人もいらっしゃいます。
多汗症の多くは、10歳ごろに症状を自覚するようになり、症状は汗の分泌が活発になる思春期にかけて強くなる傾向があります。勝手に完治することは稀ですが、ほとんどの人は年齢を重ねるごとに症状は弱まっていきます。
ワキの多汗症は最近知られるようになってきましたが、手のひらの多汗症に関してはまだ知名度が低く、理解が得られていないのが現状です。特に思春期は多汗症でなくても汗の分泌が活発になる時期のため、自分が多汗症であることがさらに気付きにくくなることも多いです。
多汗症は病院で診断を受けることができます。以下のような経験がある場合、手のひらの多汗症の可能性があるので、当てはまる項目が多い方は病院で相談してみましょう。
- 手汗で書類など紙を使えなくしてしまった
- 手汗で鉄棒や球技などがうまく使えなかった
- 手汗で電子機器を壊してしまった
- 手汗で握手など人に触れる行為に戸惑いが生じる
- 手汗を拭くためにハンカチやタオルが欠かせない
手のひらの多汗症の重症度
手のひらの多汗症にも軽症〜重症と症状の強さがあります。重症度は手のひらの汗の状態によって判断され、以下の3つのグレードに分けられます。
・グレード1:手のひらが濡れるぐらいに発汗するが拳を握っても汗が垂れることはない状態
・グレード2:拳を握ると汗が垂れる状態
・グレード3:手のひらを開いていても汗が垂れる状態
また、多汗症の検査は以下のような方法があります。
- ヨード法
- 重量計測法
- 換気カプセル法
一番簡易的な検査はヨード法で、ヨード紙を発汗部に乗せて色の変化をみていきます。色が変化する面積が多いほど、多汗症の可能性が高いと判断されます。
重量計測法は、汗の量を測る検査方法です。症状の重さを判断するときだけでなく、治療後の経過を診るときにもよく用いられる検査です。
詳細な検査が必要な場合は、換気カプセル法を用います。換気カプセル法は、手をカプセルで覆い、ガスを流しながら発汗量を測定します。手のひらのどこに発汗しているのか、どのように発汗が変化しているのかなど詳細なデータを得ることができます。
手のひらの汗改善にはボトックスが有効
ボトックス注射とは、ボツリヌス毒素から抽出したタンパク質をメインとする製剤を体内に直接注入する施術です。この製剤は神経伝達物質であるアセチルコリンの分泌を抑制する働きがあり、アセチルコリンの動きが弱くなることで汗の原因となる汗腺の働きを弱め、汗を出にくくさせます。
Merit & Demerit
手のひらの汗を止めるボトックスのメリット・デメリット
ボトックス注射による手のひらの汗の治療のメリットは以下の通りです。
- 一度注射すると効果が一定期間持続する
- 傷跡が残らない
- 安全性が高く副作用が少ない
一度注射をすればその効果は3~9ヶ月ほど持続します。内服薬、外用薬は毎日継続して服用したり、塗ったりしなければなりませんがボトックスはそのような毎日の手間が省けるのが大きな魅力です。
また、ボトックスは注射のみの治療のため傷が残ることはありません。施術後、すぐにいつも通りの日常生活を過ごすことができます。
一方で、ボトックス治療のデメリットとして挙げられるのは以下のような点です。
- 注射による痛みがある
- 永続的な効果はない
手のひらは敏感な部位であるため、他の部位と比べると痛みを強く感じてしまいます。さらに手のボトックス注射は、手のひら全体に数カ所打つ必要があるため、痛みを抑える麻酔が必須となります。
また、上記でもご紹介した通り、ボトックスは時間の経過とともに体内に吸収されるため徐々に効果が薄れてきます。効果を持続させたい場合は定期的な注入が必要となります。追加注入のタイミングは医師と相談しながら決めていきますが、症状が軽ければ汗をかきやすくなる春夏のみボトックスを打つという方法もおすすめです。
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手のひらの汗を止めるボトックスの施術の流れ
手のひらのボトックス注射は以下のような流れで施術を行います。
1.カウンセリング
2.麻酔
3.ボトックス注入
4.帰宅
ボトックス注入にかかる時間は10分程度です。施術後はすぐに帰宅でき、効果は2~3日後から感じられるようになります。
注入するボトックスの量は症状の強さによって変わり、重症であれば追加料金がかかる場合もあります。
多汗症は左右対称に症状が出ることがほとんどですが、ボトックス注入は片手だけでも可能です。
痛みは?
手のひらは痛みに敏感な部位であるため、基本的に麻酔なしでのボトックス注入は不可です。手のひらのボトックスの麻酔は、麻酔クリーム、笑気麻酔、睡眠麻酔などが用いられ、どの麻酔が利用できるかは病院やクリニックによって異なります。
ただ、麻酔クリームや笑気麻酔をしていても若干の痛みを感じます。痛みに弱い方、注射への不安感が強い方は睡眠麻酔が利用できる病院やクリニックを選ぶことをおすすめします。
ダウンタイムはある?
手のひらの汗を止めるボトックスにダウンタイムはほとんどありません。シャワー、入浴も当日から可能です。
ただ、ボトックスを注入後以下のような副作用が出る可能性があります。
・皮下出血
・注射部位の赤み、腫れ
・握力の低下
術後すぐは注射による赤みや腫れ、内側の出血が起こる場合があります。また、ボトックスは筋肉の動きを抑制する働きもあるため、一時的に物が持ちにくくなったり、握りにくくなったりします。これらの症状は1~2週間ほどで改善されていきます。
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手のひらの汗を止めるボトックスはこんな人におすすめ
手のひらのボトックスは以下のような方に特におすすめです。
- 手汗で日常生活に支障が出る
- 内服薬や外用薬を毎日飲んだり、塗ったりするのが手間に感じる
- 春夏など一定の期間だけ汗を出にくくしたい
- 傷を残したくない
- 他の部位の汗は特に気にならない
効果の感じ方には個人差はあるので、手術の前の段階の治療法として試したり、内服薬、外用薬、イオントフォレーシスで効果が得られなかった場合にボトックスにチャレンジするのも良いかと思います。
手のひらの汗にお悩みの方、多汗症をお持ちの方はこの記事を参考にして、自分にあった手汗の治療法を見つけてみてください。
Price
料金表
手のひらボツラックスSS | ¥16,280(税込) |
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手のひらボツラックスS | ¥21,780(税込) |
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手のひらボツラックスM | ¥27,280(税込) |
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手のひらボツラックスL | ¥32,780(税込) |
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手のひらアラガンSS | ¥32,780(税込) |
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手のひらアラガンS | ¥43,780(税込) |
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手のひらアラガンM | ¥54,780(税込) |
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手のひらアラガンL | ¥65,780(税込) |
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Doctor このページの監修医について
脇谷 雄一朗 Yuichiro Wakiya
e clinic 大阪院 院長
経歴
略歴
- 大阪大学医学部医学科卒
- 武蔵野赤十字病院
-
大阪市立総合医療センター
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 -
和歌山県立医科大学附属病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 - 大阪市内個人美容皮膚科
- 大手美容外科
- eクリニック 大阪院 院長就任