鼻の耳軟骨移植

人間の耳は、軟骨と皮膚から構成されています。
動物のように耳を動かす機能は退化していますので、耳の軟骨は特に重要な役割を担っているわけではありません。

鼻先へ耳軟骨を移植する際は、耳の裏側の中央付近にある軟骨（耳介軟骨）を採取して使用しますので、傷跡はほとんど目立ちません。
耳介軟骨を採取しても耳の形が変形しないように耳輪脚はできるだけ残しながら施術しますので、ご安心ください。

移植に必要な耳軟骨が少量の場合は、耳珠という軟骨を使用することもあります。
耳珠は、耳を正面から見た際に中央部分に少しせり出して見える、突起状の軟骨です。
耳珠を採取する際も、耳珠の裏側からメスを入れて慎重に切開をしますので、傷跡が他人から見えるような心配はまずありません。

耳から採取した軟骨は、鼻の先（鼻尖）に移植します。
鼻尖に耳軟骨を移植することによって、鼻尖の向きを自由に調整することが可能です。

鼻先が上に向いているぶた鼻や、鼻先を含めた小鼻全体にボリュームがある団子鼻にお悩みの方は、鼻先を尖らせることによって鼻をシャープな印象に整えることができます。
また、鼻全体が短く子どもっぽい鼻の場合、鼻先をきれいな流線形に尖ることで鼻に長さが生まれます。

耳軟骨を鼻尖の前方に移植するとシャープで高さのある鼻、鼻尖の斜め下に移植すると長く筋の通った鼻として印象づけることが可能です。
お客様のお顔のバランスや理想の鼻の形によって微調整しながら移植してまいります。

耳軟骨移植は、プロテーゼ挿入では実現できない「鼻先の角度調整」が可能です。
上向きの鼻や丸っこい鼻先などを、ご希望通りの向きに変更することができます。
耳軟骨を移植する際は、鼻の穴の中から皮膚を切開します。
そのため傷跡が目立ちにくく、ナチュラルに変化を出すことができる術式です。